私たち日本人の根っこには、
仏教伝来よりはるか以前から受け継がれてきた、
宇宙と響き合う叡智があります。
それを今に伝えてくれているのが、
ホツマツタヱという古代文献、
そしてそこに描かれたフトマニ図です。
ホツマツタヱやフトマニ図は、
単なる古文書や文字盤ではありません。
一文字一文字の音魂(おとだま)が
宇宙の法則を示し、その響きが
万物を動かすエネルギーそのものだからです。
フトマニ図と北極星信仰 ー 音魂で宇宙を紐解く
フトマニ図の中央には
「ア・ウ・ワ」が描かれています。
これは単なる発音記号ではなく、
宇宙の生成サイクルそのものを示す神聖な音。

- ア は左回転(反時計回り)で、男性原理を象徴。
宇宙のはじまりのエネルギーを表します。 - ワ は右回転(時計回り)で、女性原理を象徴。
宇宙の終わりと統合、調和を示します。
そしてその間にあるのが 「ウ」。
ヲシテ文字で描かれた「ウ」は、
壺の中に種が入っているような形をしています。
これは命を宿す母胎のようでもあり、
柱のように天地を繋ぐエネルギーを持つ文字です。
こうして「ア・ウ・ワ」は
- ア(始まり)→ ウ(育み、柱)→ ワ(調和・完成)
という宇宙の循環を示し、
フトマニ図の中心に描かれてきました。
真北の星とフトマニ図 ー 歳差運動と古代の北極星信仰
現在、私たちが「北極星」と呼んでいるのはポラリスですが、
地球は歳差運動をしており、
およそ25,000年周期で真北を指す星は移り変わります。
約2,500年ごとに別の星が北極星になるため、
古代には今とは違う星が「北の中心」でした。
古代日本人はその北の星を「アウワ」と呼び、
宇宙のはじまりの神々が宿る場所と見ていました。
この真北に神々を祀る信仰は、
やがて北極星信仰や北斗八星(現在の北斗七星+1)となり、
海洋民族としての航海術、祭祀、
生活の暦とも深く結びついていきます。
トホカミヱミタメとコホシ(九星)
フトマニ図の中心を囲む言葉が
「トホカミヱミタメ」。
これは国土を固めた神、
クニトコタチの八人の子が亡くなり、
星となった姿だと伝わります。
私たちは今「北斗七星」と呼んでいますが、
本来は「北斗八星」。
さらに中央の北極星を加えて
「コホシ(九星)」と呼びました。
この九つの星は、
天の秩序(トホカミヱミタメ)を
地に降ろすための大切な神々の姿。
フトマニ図にもその音魂が描かれています。
大嘗祭(おおなめ)ー 神のエネルギーを大地に降ろす祭祀
こうした北極星・九星信仰は、
日本の重要な祭祀である
大嘗祭(だいじょさい)に深く関わっています。
「大嘗祭」は訓読みすると「おおなめ」。
これは「古代の大事なことをなぞり、愛(め)でる」という意味を持ちます。
さらに、古代では「朝廷」を「たかま」と読みました。
これは高天原(タカマガハラ)のエネルギーを地上に降ろし、
神の意思を受けて政治を執り行う場所だったからです。
大嘗祭で重要なのが
- 主基殿(すきでん) …
「きつおさね」とも呼ばれ、
東西南北と中央の五方を指し示し、
暦を編んで人々を養う「あみやしなう」場。 - 悠紀宮(ゆきのみや) …
北のコホシのエネルギーを大地に降ろす神聖な場所。
天皇はここで天地の調和を祈り、
新しい年を迎える儀式を執り行います。
十一面観音と神仏習合 ー ホツマツタヱの響きは仏教にも
大嘗祭には十一人の神様が現れます。
この神々が後に仏教に取り込まれ、
十一面観音の原型ともなりました。
日本では、仏教伝来後に神道と対立することなく、
むしろ調和し高次元で融合しました。
仏教の中にも、ホツマツタヱに息づく
音魂や宇宙観が脈々と息づいているのです。
訓読みに込められた音魂 ー 音は神々と響き合う
漢字は中国から伝わりましたが、
日本人はわざわざ「訓読み」を残しました。
これは古来の響きを失わず、
神々と繋がるための大切な仕組み。
例えば
- 「朝廷」を「たかま」
- 「大嘗祭」を「おおなめ」
音には神々と共鳴するバイブレーションが込められているのです。
魂(タマ)とシヰ ー 死後どこへ還るのか
ホツマツタヱでは
「タマシヰ」は二つに分かれます。
- タマ(魂) … 軽やかに宇宙のアモト(根源)へ帰る
- シヰ … 重いエネルギー、欲や執着としてこの地に残る
私たちは死を迎えるとき、
魂はア(高天原)の響きへ還り、
シヰは地に留まります。
だから生きているうちにシヰを軽くし、
「ア」の音と調和することが
何よりも大切な魂の準備なのです。
🌿 おわりに
まだまだ私自身、ホツマツタヱやフトマニ図、
ヲシテ文字、北極星信仰や大嘗祭について学んでいる途中です。
こうして学びながら少しずつでもシェアすることで、
同じように探究心を持つ誰かにとって、
小さなヒントや気づきになれば嬉しいです。
「こういう話もあるよ」「この解釈は面白いね」
といったことがあれば、
ぜひ一緒に語り合いましょう。
私たちの中に流れる古代日本の音魂を、
一緒に感じてみませんか。
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