はじめに 〜「快適」の正体を問い直す〜
現代は「快適さ」や「便利さ」が
暮らしの最優先事項になっているように感じます。
しかしその過程で、
私たちが本来もっとも大切にしたい
「健康」や「安心」
そして
「持続可能性」
を見失ってはいないでしょうか。
高気密・高断熱、高機能建材、IoT住宅、省エネ設備…。
これらは確かに便利で効率的です。
けれど、それらが本当に人間の身体や心に
やさしいものかどうかは、
今一度問い直す価値がありそうです。
この記事では、
現代の一般的な住宅が抱えるいくつかの問題点を見つめ直し、
その対極にある“自然と調和した暮らし”
を象徴する「麻漆喰の家」という選択肢を紹介します。
◆現代住宅の構造的問題点とは?
【1】空気環境と健康リスク
「シックハウス症候群」という言葉をご存知でしょうか。
新築やリフォーム直後の家に住んだ人が、
頭痛や目の刺激、咳、アレルギー症状を感じることがあります。
その背景には、建材に含まれる揮発性有機化合物(VOC)
やホルムアルデヒドが室内に長く滞留することがあるようです。
高気密の住宅は、これらを外に逃がしにくくします。
特に床近くに溜まりやすいため、赤ちゃんやペットのように
低い位置で過ごす存在ほど影響を受けやすいとも言われています。
また、現代の住宅は化学接着剤やビニールクロス、
防腐剤や合板フローリングなど、
さまざまな化学製品で成り立っています。
私たちは1日に約18kgもの空気を
体に取り込むと言われていますから、
住空間の空気の質は、
健康を左右する大きな要素と言えるでしょう。
【2】経済的な負担と暮らしの自由
「家は一生に一度の大きな買い物」とよく言われます。
しかしそれは、30年以上にわたる
住宅ローンを組むという選択でもあります。
例えば、
- 安定した会社に勤め続ける必要がある
- 転職や独立に踏み切れない
- 子どものために出費を我慢する
といったように、暮らし方そのものが
住宅ローンに縛られてしまうケースも少なくありません。
さらに、冷暖房効率が落ちれば光熱費は増加し、
定期的な外壁塗装やクロス張替えといった維持費も必要です。
税金や保険料なども含めると、
家は長期的に大きな支出を生み続けます。
【3】短命な「使い捨て住宅」
日本の住宅の平均寿命はおよそ30〜40年と言われています。
フランスやイギリスでは60年以上、
ドイツでは80年以上ともされるのと比べると、
決して長いとはいえません。
構造材を接着剤で固めていたり、
湿気に弱く通気性に欠けるつくりであることが、
その一因とも言われています。
また、大量生産の安価な建材は環境負荷も大きく、
- 焼却時にダイオキシンなどを排出する
- 自然分解せず産業廃棄物として処理される
といった問題も抱えています。
つまり、今の主流である工業化住宅は、
人にも環境にも優しいとは言い難い「使い捨て型」
になっている面があります。
◆自然と共に生きる「麻漆喰の家」という選択肢
【1】自然素材がもたらす安心感
そこで注目されているのが「麻漆喰の家」。
これは、ヘンプと天然漆喰を組み合わせた自然素材の住宅です。
麻の魅力
麻は日本でも古来より神社のしめ縄や神具、衣服などに使われてきた植物。
そこには、
- 空間を清めるような感覚(浄化)
- 抗菌・防カビ・防虫に役立つとされる性質
- 通気性と耐久性に優れる点
など、さまざまな理由があります。
また、麻は成長が早く農薬をほとんど必要としないため、
環境への負担が小さい点も魅力です。
漆喰の力
漆喰は、消石灰を主成分とする伝統的な壁材です。
二酸化炭素を吸収しながら硬化し、
湿度を調整する「呼吸する壁」となるため、
室内環境を自然に整えてくれます。
強アルカリ性でカビが発生しにくいことから、
古民家や城郭にも長く用いられてきました。
こうした麻と漆喰を組み合わせることで、
化学物質をほとんど使わず、
心地よい空気感や高い通気性
を備えた住空間が実現しやすくなります。
【2】自分の手でつくるローコスト住宅
麻漆喰の家は、専門の職人やセルフビルド支援をする方に学ぶことで、
DIYでも挑戦しやすい家と言われています。
高価な工業建材や大がかりな機械をほとんど必要とせず、
小さな小屋やタイニーハウスから始めることもできるため、
場合によっては数十万〜数百万円程度で住まいを形にする人もいます。
自分たちの手で家をつくる体験は、
暮らしへの愛着や自信、家族との絆を育む
大きなきっかけにもなるでしょう。
【3】心を穏やかにする「場の空気」
現代の家は、
- 電化製品による電磁環境
- 新建材のにおい
- 人工的な光や音
などが当たり前になっています。
それらが「場のストレス」となり、イライラや不眠、
集中力の低下などにつながるのではと感じる人も増えています。
麻漆喰の家は、
- 木や麻の自然な香り
- 素材のやわらかな肌触り
- 呼吸する壁がつくる空気
が特徴で、暮らしにやさしく寄り添うと言われています。
そのため、家にいるだけで気持ちがほぐれたり、
「なぜかホッとする」と感じる人が多い
のも自然なことかもしれません。
◆「自然と調和する暮らし」への小さな一歩
住まいの価値観を問い直す
家とは単なるハコではなく、
「心と身体、そして魂を育む場所」
ともいえるのではないでしょうか。
今、エネルギー・経済・医療・教育など
あらゆる分野が変化の中にあります。
だからこそ、もっとも身近な「住まい」を見直すことは、
他の価値観をも見つめ直すきっかけになるはずです。
未来の子どもたちへ
自然素材の家で育った子どもは、
土や木、植物と触れ合う暮らしの中で、
自然を大切にする心を育んでいくでしょう。
それはやがて、次の世代の地球にとって
大きな贈り物になるかもしれません。
◆まとめ:あなたの「家の常識」を手放すとき
- 大きくて立派な家が幸せ?
- 長いローンを組むのが普通?
- 化学建材や最新設備だけが安心?
これらはもしかしたら、
社会や企業がつくり上げた
「常識」にすぎないのかもしれません。
これからの時代は、
自然と調和し、呼吸し、命を育む家が
もっと注目されていくはずです。
麻漆喰の家は、見た目の豪華さではなく、
本質的な豊かさや安心を取り戻すための選択肢の一つ。
「自然と共に在る家は、人の心を静かに、そして強くする」
そんな住まいを、あなたも小さな一歩からはじめてみませんか。
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