愛着スタイルで分かる、あなたの人間関係のカタチ
はじめに:なんで人間関係って、こんなに難しいの?
恋愛がうまくいかない。
夫婦でわかり合えない。
職場の人とすれ違ってしまう…。
こういった悩み、
実はとても多いんです。
「人生で一番大切なのは
人とのつながり」
って言われるけど、
それが一番むずかしい。
でも、
ちょっとした“心のクセ”を知ることで、
ぐっと楽になれることがあります。
そのカギとなるのが、
「愛着スタイル」という考え方です。
幼いころの親との関係が、大人の人間関係に影響してるって知ってた?
「愛着スタイル」って
難しそうに聞こえるかもしれませんが、
簡単に言うと、
「人との距離感のクセ」や
「つながり方のパターン」のこと。
これは、多くの場合、
子どもの頃の親との関係から作られます。
大人になってからの
恋愛や友情、人付き合いが
なんだかいつも同じように
うまくいかない…という人は、
この愛着スタイルに
ヒントがあるかもしれません。
愛着スタイルには大きく4つのタイプがある
- 安定型(安心して人と関われるタイプ)
- 回避型(距離を取りがちなタイプ)
- 不安型(つながりを強く求めるタイプ)
- 混合型(回避と不安の両方が入り混じっているタイプ)
今回は特に多い回避型と不安型について、
詳しく見ていきましょう。
回避型ってどんな人?
一言でいうと「一人でも平気。むしろその方が楽」タイプ。
- 「あまり人に頼りたくない」
- 「感情を見せるのはちょっと苦手」
- 「近づかれすぎると、
なんか引いてしまう」 - 「自分の本音を言うくらいなら、
黙っていた方がマシ」
こんなふうに感じることがある人は、
回避型の傾向があるかもしれません。
なぜそうなるの?
子どもの頃、
親に甘えたり感情を出したりしても、
うまく受け止めてもらえなかった
経験があると、
「誰にも頼らない方が楽だ」
と学んでしまうんです。
不安型ってどんな人?
一言でいうと「つながってないと不安で仕方ない」タイプ。
- 「LINEの返信が遅いと、不安になる」
- 「相手のちょっとした態度が気になる」
- 「本当に好かれてるか、いつも心配」
- 「愛されるために、無理しちゃう」
こんな気持ちになることが多い人は、
不安型の傾向があるかも。
どうしてそんなに不安なの?
親の愛情が不安定だったり、
ちゃんと向き合ってもらえなかったりすると、
「いつ見捨てられるかわからない」
という感覚が大人になっても残るんです。
愛着タイプ別:人間関係あるある
回避型 × 不安型 → 追いかけて、逃げて…
これは最も多い組み合わせ。
不安型が「もっとつながりたい」
と求めると、
回避型は「ちょっと離れて…」と引いてしまう。
そして不安型はさらに追いかけて…
というループに。
お互いを好きなのに、
すれ違ってしまう悲しいパターンです。
回避型 × 回避型 → 穏やかだけど、なんか物足りない…
お互いに感情をあまり出さないので、
衝突も少ないけれど、
「本当の意味でつながっている感じがしない…」
と感じやすいです。
不安型 × 不安型 → 愛情?それとも依存?
最初は「運命の出会い!」
と燃え上がることもありますが、
だんだんお互いに依存しすぎて、
しんどくなってくるパターン。
「もっと愛して」
「なぜわかってくれないの?」
とぶつかることも。
安定型 × 他のタイプ → 癒されて、変わっていく
安定型の人と一緒にいると、
「安心できる」「信じてもいいかも」と
回避型や不安型の人も
少しずつ変わっていきます。
どうしたら、愛着の傷を癒せるの?
「私はこういうタイプだから仕方ない」
そんなふうに諦めなくても大丈夫。
愛着のスタイルは
変わっていくことができるんです。
おすすめのステップはこちら👇
① 自分のタイプを知ること
まずは
「私ってどんなクセがあるんだろう?」
と気づくところから。
ネットでできる愛着スタイル診断などもありますよ。
② 安心できる人との関係を持つ
一番大切なのは、
安心・安全なつながりを体験すること。
信頼できる人、セラピスト、カウンセラー、
パートナーとの関係が「心のリハビリ」になります。
③ 感じる練習、自分を安心させる練習
・回避型の人は、
自分の感情に気づいてあげる
・不安型の人は、
自分を自分で落ち着かせる方法を身につける
日記を書く、瞑想する、呼吸を整えるなど、
日常の中でできることからでOKです。
おわりに:愛着を癒すと、人生がまるっと変わる
愛着のパターンは、
恋愛だけじゃなく、
仕事、人間関係、自己肯定感…
あらゆる場面に影響しています。
だからこそ、
ちょっとずつでも癒していくと、
人生全体がぐっと楽になってくるんです。
「人といると疲れる」
「また同じパターンを繰り返してる気がする」
そんなふうに感じるなら、
あなたの“心のクセ”に
そっと目を向けてみませんか?
📚 心のパターンを見つめて、癒しへ──おすすめの3冊(岡田尊司 著)
人間関係や恋愛でつまずく原因が、
実は子ども時代の「愛着形成」にあるとしたら…。
それは、あなたが弱いからでも、
わがままだからでもなく、
「心のクセ」が知らず知らずに
人生に影響を与えているのかもしれません。
そんな“見えにくい心のしくみ”を、
わかりやすく教えてくれるのが
精神科医・岡田尊司先生の著書です。
ここでは特におすすめの3冊をご紹介します。
📖 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』
(光文社新書・2011年)
愛着障害の基本と、
その影響が恋愛・仕事・友人関係などに
どう及ぶかを解説した入門書。
「どうしていつも人間関係がうまくいかないの?」
「私は愛されない存在なの?」という
苦しみの背景にある、
愛着スタイルを理解できます。
豊富な実例とともに、
“自分を責めるのではなく理解する”
という視点を与えてくれます。
📖 『回避性愛着障害──絆が稀薄な人たち』
(光文社新書・2013年)
「一人の方が楽」
「親密になるのが怖い」
と感じる人に当てはまる
“回避型”愛着スタイルに焦点を当てた一冊。
他者と距離を置くクセの背後にある、
実は深い“傷つきやすさ”と
“愛への渇望”を丁寧に描いています。
クールに見える人の本音、
あなた自身の「なぜ私はこうしてしまうのか」に
深く気づけるヒントが詰まっています。
📖 『愛着障害の克服──「愛されない自分」を変える唯一の方法』
(光文社新書・2016年)
愛着障害を「理解する」段階から、
「乗り越える」段階へ導く実践的な一冊。
心の中に染みついたパターンを
少しずつ書き換えていく方法、
自分自身との関係を癒すワークなどが紹介されています。
人と安心してつながる力を取り戻したい人、
過去の傷から一歩踏み出したい人にぴったりです。
3冊を通して読むことで、
「気づく → 理解する → 解放されていく」
というステップを踏むことができます。
心の仕組みを知ることは、
自分自身との和解のはじまりです。
人生をやさしく変えていきたい方に、
心からおすすめします。
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