夏は暑い季節にもかかわらず、
実は冷え性が悪化しやすい時期です。
冷房、冷たい飲み物、温度差―
―現代生活は、気づかないうちに
からだを内側から冷やしてしまっています。
この記事では、アーユルヴェーダの智慧に学びながら、
夏の冷え性を根本から改善する方法をお伝えします。
大切なのは、その場しのぎの対処ではなく、生活そのものを見直すことです。
冷え性は「生活習慣」の結果である
まず知っておきたいのは、
冷え性は単なる「症状」ではないということです。
どんな食事をし、どんな生活をしているか―
―その結果としてからだに現れるのが冷え性です。
たとえば、冷たい飲み物を頻繁に飲んだり、
生野菜や果物を多く摂ったり、
座ったままの時間が長い生活をしていれば、
からだは確実に冷えやすくなります。
だからこそ、本当に冷え性を改善したいなら、
対処療法だけに頼るのではなく、
生活習慣そのものを見直すことが不可欠なのです。
体は動かすために手足がある
そもそも、私たちのからだには手足が備わっています。
これは、「動かすため」に存在しているのです。
しかし、現代では長時間椅子に座ったままの生活が当たり前になっています。
動かさないからだは、血液やリンパの流れが滞り、冷えやむくみを引き起こします。
からだは適度に動かした方がリラックスします。
動くことで呼吸が深くなり、血流が促され、
心身ともに緊張がゆるみやすくなるのです。
「動かすくらいがちょうどいい」―
―それが本来のからだの設計です。
お腹を温めると、自然な体温調節ができる
アーユルヴェーダでは、
**消化力(アグニ)**を健康の中心に据えています。
特に夏は、外の暑さと室内の冷えが交錯し、
消化力が乱れやすくなります。
ここで大事なのが、お腹を温めること。
お腹が温かいと、からだは上手に汗をかき、
冷ましたいところを自然に冷ますことができます。
反対に、お腹が冷えていると体温調節がうまくできず、
顔のほてりや、日射病のような血の上昇症状が現れやすくなります。
つまり、お腹を温めることは夏の冷えと暑さのバランスを取るカギなのです。
アーユルヴェーダの食事法から学ぶ冷え対策
アーユルヴェーダでは、
生もの(サラダや果物など)を基本的に推奨していません。
生の食材は消化に負担がかかり、内臓を冷やしてしまうためです。
もしどうしても生ものを食べたい場合は、
- 消化力が最も高まる昼間(正午前後)に食べる
ことがすすめられています。
特に、朝や夜に生ものを食べるとからだは冷えるため注意が必要です。
朝は消化の火がまだ弱く、夜は休息モードに入るため、
どちらも生ものは避けるのが理想的です。
夏だからといって冷たいものや生野菜を多く摂るのではなく、
温かく調理された食事を基本にすることが、
冷え性改善の大きな助けになります。
夏の冷え性を改善する生活のポイント
1. 冷たい飲食を控える
- 常温以上の水や白湯を選ぶ
- 氷入りの飲み物やアイスは控える
2. こまめに体を動かす
- 1時間ごとに立ち上がる
- 手足を軽く動かすストレッチを取り入れる
- 体を動かすことでリラックス効果を高める
3. お腹を温める習慣を持つ
- 薄手の腹巻きを活用する
- 夜は温かい飲み物を飲む
- 就寝前にお腹を優しくマッサージする
4. 生ものは昼に食べる
- 朝・夜の生ものは避ける
- 昼間に消化力を利用して摂取する
まとめ:冷え性改善は「生活の選び方」から
夏の冷え性は、冷えたら温める、
という対処だけでは本当の改善にはつながりません。
生活そのものの選び方―
―食事、動き方、冷えとの付き合い方―
を見直すことが必要です。
アーユルヴェーダは、
- からだは動かした方がリラックスすること
- お腹を温めることで体温調節が整うこと
- 冷え性は日々の生活習慣の結果であること
- 生ものは昼に食べるべきであり、朝晩は避けるべきであること
を教えてくれます。
この夏は、からだの声に耳を澄ませながら、
丁寧な生活を心がけ、冷えない自分を育てていきましょう。
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