トゥルシーとは?アーユルヴェーダが重視する神聖な薬草
トゥルシー(Tulsi)は、
インド原産のシソ科の植物で
日本では「ホーリーバジル」とも呼ばれます。
トゥルシーとは?アーユルヴェーダが重視する神聖な薬草
トゥルシー(Tulsi)は
インド原産のシソ科の植物で
日本では「ホーリーバジル」とも呼ばれます。
実はこのトゥルシー
タイ料理の「ガパオライス」に
使われているハーブとしても知られており
スパイシーで独特な香りが特徴です。
ただし、タイ料理で使われる
ホーリーバジル(カパオ)は
品種としては主に
ラーマ・トゥルシー(スイートバジル)に近く、
香りがマイルドで食用に適しています。
一方、アーユルヴェーダで
薬効が高いとされるのはクリシュナ・トゥルシーで、
こちらはやや辛味があり、
薬草としての利用が中心です。
インドでは数千年前から
「聖なる植物」として親しまれ
アーユルヴェーダでは心身を清め
病気から守る力を持つとされてきました。
ヒンドゥー教では、女神ラクシュミーの化身とされ
寺院や家庭の庭先に植えられ
神様への供物や礼拝の対象にもなります。
トゥルシーがある場所は空気が清浄になり
場の波動が高まると考えられています。
日本でも育てられる!自然とつながる植物
日本でも苗が販売されており
日当たりのよいベランダや庭で
簡単に育てることが可能です。
私自身、花屋さんで苗を見つけて育てています。
夏になると芳香のある小さな葉をたくさんつけて
ハーブティーや入浴剤として活躍してくれます。
トゥルシーの種類とそれぞれの薬効
アーユルヴェーダでは、
以下の3つの品種がよく知られています。
それぞれ味や香り、効能が異なります。
🌿 クリシュナ・トゥルシー(Krishna Tulsi)
紫がかった葉を持ち、味・香りが強く
最も薬効が高いとされる品種。
効能: 健胃、去痰、発汗、利尿、解熱、抗毒、駆虫
風邪予防や消化促進、感染症対策におすすめ。

🌿 ラーマ・トゥルシー(Rama Tulsi / スイートバジル)

一般的な緑色の葉を持つ品種で
香りはマイルドで甘みがあり飲みやすい。
効能: 抗菌、抗炎症、鎮痛、健胃、解毒
催乳、強心、口臭予防、利尿など。
日常的なセルフケアに最適。
🌿 ヴァーナ・トゥルシー(Vana Tulsi)
野生種に近く、野性的な香りと
レモンのような爽やかさを併せ持つ。
効能: 精神安定、心の浄化、集中力アップ
疲労回復など。瞑想や休息にぴったり。
種にも力がある!ぷるぷるゼリー
トゥルシーの種を水に浸すと、周囲がゼリー状に膨らみます。
このゲル状の膜は水溶性の食物繊維で
整腸作用・満腹感・美肌効果が期待され
インドでは夏の冷たい飲み物
(ファルーダなど)に加えられます。
かつて日本では、
この膜が目のゴミを吸着する作用があるとされ
「神目箒(かんもくほうき)」という
和名がつけられました。
名前の通り、目のほこりを掃くような浄化力を象徴しています。
季節ごとのトゥルシー活用法
アーユルヴェーダでは
季節ごとに乱れやすいドーシャ(体質エネルギー)があるとされ
それに応じたハーブの活用が勧められます。
トゥルシーは
トリドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)
を整える貴重なハーブであり
季節に応じて最適な使い方が変わります。
🌸 春(カパの季節):重さ・湿気を浄化
春は体内に
「水と土」のエネルギー=カパ
が溜まりやすく、
むくみ・花粉症・だるさが出やすい時期です。
おすすめの使い方:
- トゥルシーに乾燥生姜や黒胡椒を加えたスパイスティー
- 去痰・発汗作用で体をスッキリさせる
☀️ 夏(ピッタの季節):熱と怒りを鎮める
夏は「火」のエネルギー=ピッタが増える季節。
イライラ・肌荒れ・ほてりなどの症状が出やすくなります。
おすすめの使い方:
- トゥルシーの冷製ハーブウォーター
(ミントやローズとブレンド) - トゥルシーシードのぷるぷるドリンクで
体の熱を内側から冷やす
🍂 秋〜初冬(ヴァータの季節):冷えと不安をケア
秋から風の強まる季節は、
「風と空」のエネルギー=ヴァータが乱れやすく、
不眠・乾燥・不安感が出やすくなります。
おすすめの使い方:
- 温かいトゥルシーティーに
蜂蜜を少し加えて心と体を安定させる - 湯船にトゥルシーの葉を浮かべてリラックス
❄️ 真冬(ヴァータ+カパの混合):冷えと重さに対応
冬は冷たく乾いた空気により
ヴァータとカパが同時に増える季節。
この影響で、
消化力の低下・免疫力の低下・冷え・倦怠感
などが出やすくなります。
そんな冬にこそ
トゥルシーの温める作用が力を発揮します。
特にクリシュナ・トゥルシーは、
体を内側からじんわりと温める性質があり、
喉の痛み・鼻づまり・咳・軽い熱など
風邪の初期症状におすすめです。
スパイスとブレンドすることで、
より高い発汗作用や去痰効果も期待できます。
おすすめの使い方:
- 生姜、シナモン、クローブなどと
合わせたスパイシートゥルシーティー - ハチミツを加えた温かいハーブティーで
のどや気管をケア - 湯気を吸い込むように蒸気吸入すれば
鼻づまりや頭の重さもスッキリ
冷える季節に
身体を芯から温め、風邪を未然に防ぐためにも
トゥルシーを積極的に取り入れてみましょう。
まとめ:一杯のトゥルシーティーで、 心身と空間の浄化を
トゥルシーは、単なる健康ハーブではなく
「空間を清め、心を整え、身体を癒す」
という三拍子そろった
アーユルヴェーダの宝物のような存在です。
体調に合わせて、季節に合わせて
トゥルシーをお茶やお風呂に入れる、
育てる楽しみにまで広げてみてください。
自然とのつながりを感じながら、
あなた自身の内なる調和を育んでみましょう。