夏はエネルギーに満ちた季節─
─でも、気づかぬうちに心と体が
“火”に振り回されていませんか?
アーユルヴェーダでは、
夏は**「ピッタ(火のエネルギー)」
が増える季節**。
炎症・イライラ・消化不良など、
さまざまな不調が現れやすいこの時期
心と体のバランスを整える
暮らしの知恵を実践することで、
夏を快適に過ごすことができます。
本記事では、
『こころとからだが目覚め出す
暮らしのアーユルヴェーダ』(田村ゆみ・伊藤武著)を参考に、
夏の過ごし方のヒントや、
アーユルヴェーダ料理研究家・原田真理さん
おすすめの**「コリアンダー水」**レシピなど、
実践的な内容をご紹介します。
☀️ 夏のピッタの特徴と過ごし方の基本
アーユルヴェーダによれば、
**ピッタは「熱・変換・鋭さ」**の性質をもち、
夏の太陽の強さと共鳴して増加します。
✅ ピッタが増えると起きやすい不調
- イライラ・怒りっぽさ
- 胃の不調(胃酸過多・胃荒れ)
- 発疹・充血・口内炎・黄疸などの炎症症状
- 眠りが浅い、寝苦しい
✅ 夏を快適に過ごすアーユルヴェーダ的工夫
- 日中の外出は避け、朝夕の涼しい時間に行動
- 運動量は1年で最も少なくしてOK
- 日傘・帽子・日陰で日差しから身体を守る
- 夜はしっかり睡眠、必要なら軽い昼寝も◎
- 湯船はぬるま湯か常温の水でクールダウン
🌕 アーユルヴェーダがすすめる「涼」のセルフケア
1. 月光浴で火のエネルギーを鎮める
インドの伝統では、
月の光を浴びることでピッタを鎮める効果が
あるとされます。
特に満月の夜は、
月光浴で心身を静めるチャンスです。
2. ビャクダン(白檀)の外用
ビャクダンのペーストを肌に塗布すると、
熱を冷まし、香りでも心を穏やかにしてくれます。
天然のアロマ冷却剤として、インドでは定番です。
💧おすすめ!夏の水浴「ウォーターシローダーラ」
『暮らしのアーユルヴェーダ』でも紹介されている、
水を使ったシローダーラ風の簡易療法。
ピッタを和らげる夏のクールダウンに最適です。
やり方:
- バケツや洗面器に常温の水を用意
- 立って少し上を向く
- 水を10〜20cmの高さから、額に細く垂らす(1本の水の線が理想)
- 水が頭→上半身→下半身へ流れていく感覚を味わう
- 2〜3回繰り返す
→服のままでもOK!むしろ冷却効果がUPします
🍽 ピッタを整える夏の食事のコツ
避けたいもの:
- 冷たいアイス・ジュース(→消化力低下)
- 辛味・酸味・塩味の強い食事(→ピッタ過多)
- 脂っこい揚げ物やこってり料理
積極的に摂りたい味:
- 甘味・苦味・渋味を中心に
- 水分補給をしながら
消化にやさしい温かい料理
🥥 夏にぴったり!アーユルヴェーダ的水分補給ドリンク
● 電解質バランスドリンク
- 水500mlにレモン果汁+塩ひとつまみ+きび砂糖少々
→体液に近い浸透圧で、吸収が良く夏バテ防止に最適。
● ココナッツウォーター
→自然のスポーツドリンク。ミネラルが豊富でピッタを和らげる。
● 原田真理さんおすすめ|コリアンダー水 🌿
🔹 レシピ:
水1リットルに、
コリアンダーホール大さじ2を加えて、
一晩置くだけ。
🔹 効果:
コリアンダーには
消化促進・抗炎症・利尿・冷却作用があり、
ピッタが増える夏にぴったり。
常温で少しずつ飲むのがベスト。
🍉 夏におすすめの食材とレシピヒント
- スイカ・きゅうり・ゴーヤ・トマトなど、水分や苦味のある夏野菜
- アロエ(炎症を抑え、クールダウン効果)
→ヨーグルトと合わせたり、
カレーに入れるのもインド流
🌿 おわりに|「火」と共にある夏を、調和の季節に
私たちのからだも心も、自然の一部。
夏は「火」が満ちる季節だからこそ、
「水」や「月」のエネルギーと上手につきあいましょう。
アーユルヴェーダの知恵は、
「がまん」や「制限」ではなく、
心地よさに気づき、選ぶこと
を教えてくれます。
あなたの夏が、やさしく、健やかでありますように。
◇参考書籍
こころとからだが目覚め出すケララ秘伝 暮らしのアーユルヴェーダ:
身近な素材でできる季節のレシピ 田村 ゆみ (著), 伊藤 武 (著)
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