【アーユルヴェーダの知恵】砂糖は「毒」ではなく「薬」だった?|正しい付き合い方と老化との関係

アーユルヴェーダ

現代では「砂糖=悪」とされることが多く、
健康志向の方々の間では控えるべき存在として認識されています。

しかし、古代インドから続く伝統医学「アーユルヴェーダ」では、
砂糖は実は大切な「薬」として扱われてきました。

この記事では、
アーユルヴェーダ的な視点から見た砂糖の本来の役割や、
過剰摂取による体への影響、
そして体にやさしい砂糖との付き合い方についてご紹介します。


砂糖はアーユルヴェーダにおける「ラサーヤナ(若返りの薬)」

アーユルヴェーダでは、砂糖は単なる甘味料ではなく、
「ラサーヤナ」と呼ばれる滋養強壮・若返り・活力回復
を促す重要な食材として重宝されてきました。

特に、体力が落ちているときや虚弱体質の人に対して、
体のエネルギー源として適切に活用されていたのです。
また、薬草の有効成分を身体に届けるための「アヌパーナ(運搬役)」として、
砂糖を用いた薬用シロップなども存在します。


過剰摂取は「老化」を早める原因に

どんなに体に良いとされるものでも、摂りすぎれば逆効果。
アーユルヴェーダでは「量と質とタイミングのバランス」が重要視されており、
砂糖も例外ではありません。

特に現代では、加工食品の多くに砂糖が含まれており、
知らず知らずのうちに過剰摂取になってしまう傾向があります。
アーユルヴェーダの視点では、過剰な砂糖の摂取が
以下のような変化をもたらすと考えられています。

  • 肌の乾燥やざらつき
  • 毛穴の詰まりや皮脂のベタつき
  • 目のかすみや耳垢の粘着性増加
  • 関節の重さや動きの鈍さ
  • 身体の「熟成=老化」が早まる

これは、体内の循環や代謝がスムーズに行われなくなることで、
身体が「詰まり」、結果として老化が加速するという見方です。


「熟す=老いる」──自然サイクルとの象徴的なつながり

たとえば、輸入バナナはまだ青く硬いうちに収穫され、
ガスを使って意図的に熟成させて市場に出されます。
この「熟す」という行為は、
一方では美味しさを引き出すものでありながら、同時に老化の始まりでもあります。

砂糖も同様に、取りすぎることで体内の熟成を促進し、
「老い」のプロセスを早めてしまうというのが、
アーユルヴェーダの捉え方です。


身体にやさしい自然な甘味料とは?

すべての砂糖が同じというわけではなく、
生成度が高い白砂糖よりも、自然に近い形の甘味料が体にやさしいとされています。
以下のような天然由来の甘味料は、ミネラルや酵素を含み、
比較的体への負担が少ないといわれています。

  • 黒糖(国産・未精製のもの)
  • ジャッガリー(インド伝統の粗糖)
  • ココナッツシュガー
  • メープルシュガー
  • アップルシュガー(果物由来)

これらの甘味料は、血糖値の急上昇を抑える「低GI食品」としても注目されています。


蜂蜜の扱いにも注意を

ちなみに、アーユルヴェーダでは加熱された蜂蜜は毒性を持つとされ、
非加熱の状態で摂ることが推奨されています。
蜂蜜には代謝促進や体内の余分な粘性(アーマ)を減らす効果があり、
体質改善にも役立つとされています。


結論:砂糖は「毒」にも「薬」にもなる。大切なのは“使い方”

砂糖は、決して一概に「悪者」ではありません。
アーユルヴェーダでは、砂糖は体を癒すための“薬”でもあり、
その効果を引き出すためには「量」「質」「タイミング」のバランスが鍵になります。

現代のように、砂糖が加工食品に当たり前のように含まれている環境では、
「無自覚な摂取」によって、
本来は薬だった砂糖が「毒」として働いてしまうことも少なくありません。

だからこそ、日々の食生活の中で甘味を取り入れるときには、
自分の身体と心の声に耳を傾けながら、丁寧に、
そして感謝を込めて付き合っていくことが大切です。

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